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『ANTHEM(アンセム)』のグラフィック劣化が海外で話題に。ダウングレードはどこまで許されるか


2019年2月22日にエレクトロニック・アーツが発売する『ANTHEM(アンセム)』は世界で最もグラフィックの良いオンラインゲームのひとつだ。だが、2017年のE3で見た信じられないほどの映像美を実際のプレイで見ることを期待してはいけないのかもしれない。

E3の衝撃

E3 2017で発表された『ANTHEM(アンセム)』は衝撃だった。密度の高い環境を激しいアクションで飛び回る「ジャベリン・エグゾスーツ」のゲームプレイは圧倒的な美しさで、現時点でYoutube予告動画の再生数は850万回を超えている(Anthem Gameチャンネル全体では2500万再生以上)。

『ANTHEM』は翌年のE3 2018 Game Critics Awardsで「Best PC Game」と「Best Action Game」の二冠を達成するなど批評家の前評判も高く、2019年のゲームオブザイヤー候補として、また商業的には『Destiny 2』超えを期待される超大作としてゲーム業界の話題の中心となっている。

AAAタイトル恒例のダウングレード論争

スパイダーマン水たまり by:reddit

ただし、盛り上がっているネタはポジティブなものばかりではない。大作ゲームにつきものの「グラフィック劣化論争」が『ANTHEM』にも降りかかっている。

マーケティングの都合上、ほとんどのゲームは製品版が完成していない段階でゲームプレイ映像を公開する。注意しなければならないのは、「ゲームプレイ映像」と称して公開されるその映像は実際のゲームプレイ映像とは違うということだ。
ゲーム開発者はまずできるだけ美しく複雑な環境を作り、それからハードウェアに合わせてフレームレートを確保するためにグラフィックをダウングレードする。もちろんそうではないゲームもあるが、多くの大作ゲームのやり方はこうだ。

つまり、超ハイスペックなPC上でプレイされたアルファ版を見て大いに期待したユーザーの手に届く製品版は、たいていの場合期待した物よりもグラフィックが劣化しているのだ。

ダウングレードといえば、予告と比べて製品版で表示される水たまりの数が減っている問題で話題になったインソムニアックゲームズのPS4専用ソフト『スパイダーマン』が記憶に新しい。もっとも、結局それは単なる水たまりの配置の変更であって、全体としてグラフィックはダウングレードどころかアップグレードされた部分も多いことがわかっている(関連記事)。

本当に予告編からグラフィックをダウングレードして炎上した代表的なタイトルがUBIソフトの『ウォッチドッグス』だ。具体的に何がどう劣化したのかは比較動画を見て欲しい。『ウォッチドッグス』を含むUBIソフトの「予告詐欺」っぷりが告発されている。

この種の論争はソニーやUBIソフトに限らず『ウィッチャー3』も『ダークソウル2』も経験している。

『ANTHEM』のグラフィックは劣化しているのか?

VIP体験とオープン体験版を通してユーザーの手元に届いた『ANTHEM』の見栄えは十分良かった

サーバーの不安定さやバグ、UIのとっつきにくさなど問題とすべきは他にあると思うのだが、それでも海外では「予告よりもグラフィックが劣化しているのではないか」という議論があった。誇大広告を嫌うユーザーが多いというのもあるし、ダウングレードをネタにするのがゲームコミュニティの恒例行事となっているからでもある。

予告と体験版を比較すると、照明やパーティクル、植生の密度に変化がみられる。海外ゲーマーのコメントは「予告編はリアルタイムレンダリングのフリをしていた」「EAは地球温暖化の影響で多くの植物が死んだことを表現している」「ガチャを回せばグラ良くなるから心配いらないよ」「2019年、誰もEAの言うことを信じてはいない」など。

一方、「体験版でもグラフィックは美しく、少しばかりNPCや植物が減ったくらいでダウングレードがあったと言うのはミスリードだ」という反論もある。「製品版ではワンデイパッチが当てられて今より美しくなるに違いない」という意見も。

Digital Foundryの分析によれば、『ANTHEM』はグラフィックよりむしろパフォーマンスに課題を抱えているようだ。フロストバイトエンジンによるグラフィックは依然として素晴らしいが、ノーマルPS4とXbox One Sはほとんどの状況で30fpsを維持できない。

正直なところ、植物の数でゲームの面白さが大きく変わるとは思えない。しかしフレームレートはゲームプレイに大きな影響を与える。これは操作性の問題であり、映像がカクつくと目に負担がかかるという身体的な問題でもある。

「ダウングレード」というのは言い換えればゲームの「最適化」だ。個人的にはフレームレートを出すための「ダウングレード」なら一向に構わない。グラフィックのためにフレームレートが犠牲にされるとしたら、それこそ問題だ。広告通りのゲームを遊べないのは残念なことだが、最高のグラフィックを10fpsでプレイさせられるよりはマシだ。ゲームの予告編はあくまで開発者の目標を示すビジョンなのだと理解するのが賢明かもしれない。

フレームレートの重要性についてはこちらの記事で解説している。

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  • コメント ( 2 )

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  1. Anonymous

    遊びたいけどバグフィxやinventoryやグラフィックの最適化的にでってにーみたいに2年くらい寝かせてから買うかな

  2. Anonymous

    PCでやるから別に・・・というか、高画像にするとごちゃごちゃして見にくいからどうせ低画像にすると思う