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『CoD:MW』が実現したクロスプレイの未来は?PS5と次世代Xboxに対する期待と現実

CoDシリーズ最新作『Call of Duty: Modern Warfare』ではついにクロスプレイが実現する。

クロスプレイとは、異なるプラットフォーム間で通信を行い対戦や協力といったマルチプレイを行うことだ。具体的にはPS4とPC、PS4とXbox One、SwitchとXbox One、といった異なる機種で遊ぶ友達同士でオンラインマルチプレイができるようになる。

なぜこの「クロスプレイ」がニュースになるのか、今のゲーム業界事情と共にまとめてみよう。

Call of Duty: Modern Warfareのクロスプレイ機能

2019年10月25日発売予定の『Call of Duty Modern Warfare(コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア)』ではクロスプレイが可能になる。このニュースが出回った時、プレイヤーに動揺が走った。というのも、CoDのプロシーンではPS4版をベースにプロゲーマーたちの競争が繰り広げられている。この環境にPCプレイヤーという「異物」が混じることでマルチプレイの環境が壊れてしまうのではないか、という危惧があったからだ。

何も知らない人間がCoDのプレイ映像だけを見れば、PS4でプレイするプロゲーマーよりもPCでプレイする素人の方がテクニカルなプレイをしているように見えるだろう。PS4版の操作デバイスはパッド(DUALSHOCK 4)、PC版の操作デバイスはマウスとキーボードだ。パッドよりもマウスとキーボードの方が遥かに精密な操作ができるので、PS4にマウスを接続してプレイする「マウサー」がチーター扱いを受けることもある。

mouse

実際、前作『コールオブデューティ ブラックオプス4』ではコンソール機とPCで対戦環境が違いすぎて、武器のバランス調整が全く違う内容になるほどだった。簡単に言えば、マウスは精密なエイムができるのでとにかくキルタイムの早い火力武器が強い。パッドは精密なエイムが難しいので遠中距離でも当たりやすい精度の高い武器が強い。これで同じバランス調整をしたらPCとCSどちらかの環境が壊れてしまうのだ。

以上はFPSゲーマーの常識だが、PS4とPCのマルチプレイを一緒くたにして、PS4で練習するプロゲーマーがPCで遊ぶキッズにボコボコにされるクロスプレイ環境はバランスが取れているとは言えない。幸い、『Call of Duty: Modern Warfare』のクロスプレイは操作デバイスによってマッチングが分けられるということだった。つまり、PS4ユーザーとPCユーザーが一緒に遊ぶことはできる。ただし操作デバイスが同じならば。これは『フォートナイト』のクロスプレイ方法と同様で、だれもがだれもと遊べるようにしながら、できるだけ平等な条件を整えるという丁度いい落としどころだろう。

PS4とクロスプレイの現状

オートチェス

なぜ「クロスプレイ」が重要なのか?マルチプレイヤーゲームは「対戦相手が存在する」ことがなによりも、時にはゲームシステムよりも重要だ。特にバトルロイヤルゲームが流行する近年は1つのマッチングに大量の対戦相手を必要とするゲームが多い。PUBGなら99人、オートチェスなら7人だ。あらゆるプラットフォームのゲーマーが一緒に遊べるようになれば、オンラインゲームの「過疎問題」は大きく改善されることは間違いない。

プレイヤーからすれば対戦相手が増える。ゲームの開発者からすればゲームの寿命が延びる。どう考えても「クロスプレイ」のメリットは多い。実際、CoDや『フォートナイト』、『ロケットリーグ』といった世界的人気タイトルはクロスプレイを取り入れている。では、なぜすべてのオンラインゲームはクロスプレイにしないのか。その原因の一つはソニーの姿勢にある。

クロスプレイには欠点もある。ソニーが言うクロスプレイの欠点は「PS4ユーザーの安全を守ることができない」ことだ。つまり、クロスプレイで出会うXbox One/Switch/PCプレイヤーはPS4の利用規約を承認しておらず、ソニーの管理下にあるわけでもない。だからPS4ユーザーがそうしたプレイヤーと一緒にマルチプレイをしてトラブルが起こった時、ソニーがPS4ユーザーを守ることができないかもしれない、というわけだ。

少なくとも表向きの理由はそうだ。だが、もっとシンプルな理由もある。今世代の売り上げにおいてPS4は圧倒的な勝者であり、Xbox Oneと比べて独占作やユーザーベースという点で大きな優位を持っている。SwitchとPS4では出るゲームの毛色は異なるが、Xbox OneとPS4とではハードのスペックも発売されるゲームソフトも似通っている。そんな中、世界中のゲーマーがXbox OneではなくPS4を買う理由は「PS4独占作があるから」と「PS4ユーザーの方が多いから」だ。すべてのゲームでクロスプレイを許可していたら、Xbox OneであろうがPS4であろうが同じゲームを買った友達同士ならハードに関係なく一緒にプレイできるようになる。こうなるとライバルであるXbox Oneの弱点「ユーザーの少なさ」が解消されてしまうのだ。

とはいえ、そうした事情はユーザーにはあまり関係がない。それにクロスプレイをすることでPS4ユーザーが損をするわけでもない。そういうわけで様々な交渉や対立を経て、色んなオンラインゲームがクロスプレイを実現するようになってきている。Xbox OneとSwitchだけのクロスプレイ、という例もあったが、最近はソニーもクロスプレイを受け入れつつあるようだ。

一方、一部の開発者からは「ソニーはごく限られたタイトルにしかクロスプレイを許可しない」という恨み言も聞こえてくる。要するに、実力のある開発者は優遇するが、弱小チームにはわざわざクロスプレイなどという譲歩をしない。

ソニーの戦略が正しいのか、間違っているのか。あるいは今後の戦略は変わるのか。その答えがはっきりするのは次世代「PS5」が発売された後のことだろう。

PS5とクロスプレイの未来

Dauntless

GamingBoltいわく、Phoenix Labsの『Dauntless』はパーティの60%がクロスプレイだという。つまり、クロスプレイを求めているユーザーは多い。Black Mill Games(『Tannenberg』など)のJos Hoebeによれば、PS5と次世代Xboxでのクロスプレイはそれほど期待できないという。しかし、「物事は常に変化する可能性がある」。

次世代ゲーム機ではクロスプレイが採用されるかどうかについてのGamingBoltの取材では、Black Mill Gamesは「未来を予測するのはリスクを伴うよ!正直なところ、クロスプラットフォームが次世代機の主要機能になることに関して、大きなスタジオの間では今のところ楽観的ではない。しかし、ものごとはいつだって変わる可能性はある!もしそうなったら、多分、今までそれなしで生きてきたのが不思議に感じるくらいに、自然なことに感じると思う」と話している。

現時点ではソニーとマイクロソフトが協力する兆候は見えないが、彼らはGoogle Stadiaのようなクラウドゲーミングサービスに対抗して戦略的提携を行うと宣言したばかりだ。この協力関係が進展すれば、すべてのゲームでクロスプレイが実装されてもおかしくはない。

クロスプレイの欠如はゲームの成長を妨げている?

The Elder Scrolls Online

「クロスプレイは業界の未来であり、進むべき道だ。にもかかわらずベセスダは『エルダー・スクロールズ・オンライン』に対するクロスプレイの要求を無視しており、自分自身を成長の可能性から遠ざけている」という批判がForbesから上がっている。Forbesによれば、オンラインゲームにおいてそのゲームが持っているコミュニティ(PS4/Xbox One/PC)の三分の一にしか関われないというのは致命的だ。『ファイナルファンタジーXIV』ではPCとPS4のクロスプレイが可能で、それはFF14の成功を支えている。

実際、『エルダー・スクロールズ・オンライン』にクロスプレイがないことがベセスダだけのせいなのかはわからない。プログラミングが難しいのかもしれないし、ソニーが許可をくれないのかもしれないし、クロスプレイはそれほど重要ではないと考えているのかもしれない。しかし、海外メディアではクロスプレイ、または少なくともクロスセーブ(異なるハードウェアで同じゲームのセーブデータを共有できる)は今後はあって当たり前のものとする論調が多い。

洋ゲーはプレイステーション、任天堂ソフトは任天堂機、そのほかは携帯ゲーム機、という住み分けがなされていた日本でも最近はPCゲーマーが増えつつあり、他人事ではない。このムーブメントは海外に一足遅れて日本のゲームにも影響を与えるかもしれない。

PCとCSの衝突の象徴である「マウサー」問題はこちらの記事で紹介している。

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