Ryzen 7 5700Xは、2022年4月に発売された8コア16スレッドのCPUです。
同じAMD製のRyzen3000シリーズよりも高い処理能力を備えつつ、上位モデルのCPUよりは価格が抑えらているので、コスパの高さに魅力があります。
本記事では、Ryzen 7 5700XとほかのCPUのベンチマークを調査し、性能比較をしていきます。
この記事はこんな悩みを抱えている人に向けて書いています。
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目次
Ryzen 7 5700Xの基本スペック
| 世代 | 第4世代 |
| 開発コード | Zen3（Vermeer） |
| コア数/スレッド数 | 8コア16スレッド |
| Pコア定格/最大クロック | 3.4GHz/4.6GHz |
| L2キャッシュ | 4MB |
| L3キャッシュ | 32MB |
| 内蔵グラフィックス | なし |
| PassMark CPU Markスコア | 26815 |
Ryzen 7 5700Xは、第3世代シリーズで人気の高かったRyzen 7 3700Xの後継モデルです。
8コア16スレッドを搭載している点は同じものの、Zen3アーキテクチャを採用したことで、処理能力が向上しています。
シングルタスク性能に加え、マルチコア性能も優れているので、動画編集や配信などで複数ソフトを同時に起動しても、処理能力が著しく低下することがほとんどありません。
上位モデルのRyzen 7 5800Xと比較しても、価格がある程度抑えられているので、コスパの高いCPUを求めている方におすすめです。
Ryzen 7 5700Xのベンチマーク
ここでは、Ryzen 7 5700Xのベンチマークを調査し、ほかのCPUのスコアと比較していきます。
Ryzen 7 5700XがほかのCPUと比較して、どの程度の性能を発揮できるか気になっている方はぜひ参考にしてください。
Ryzen 7 5700XのCPU Markスコア
| CPU | CPU MAark |
|---|---|
| AMD Ryzen 5 5700X | 26815 |
| Intel Core i5-12600K | 27830 |
| Intel Core i9-12900H | 27130 |
| Intel Core i5-12600KF | 27830 |
AMD Ryzen 5 5700Xと競合モデルであるIntel製のCPUのPassMarkスコアを比較してみました。
まず、PassMarkスコアとは、CPUを含めたパソコンの性能を測定できるベンチマークソフトウェアです。
CPUを様々な用途で使用した際のスコアを総合的に分析し、数値の大きさで処理能力の速さを示しています。
そこで、AMD Ryzen 5 5700Xのスコアについて確認すると、ほかのCPUよりもスコアが劣るものの、26815というスコアは決して低くありません。
基本的にPassMarkスコアが20000を超えていれば、最新の3Dゲームでも快適にプレイできるため、AMD Ryzen 5 5700Xの処理性能は優秀であることがわかります。
Ryzen 7 5700XのCinebench R23（マルチコア）スコア
| CPU | Cinebench R23 |
|---|---|
| AMD Ryzen 5 5700X | 13802 |
| AMD Ryzen 7 6800H | 13611 |
| Intel Core i7-1280P | 13549 |
| AMD Ryzen 9 5980HX | 13460 |
Cinebench R23のスコアをもとに、Ryzen 7 5700Xのマルチコアの性能をほかのCPUと比較しました。
マルチコアとは、1つのCPUにプロセッサコアが複数ある状態を指しており、マルチコアの性能が高ければ高いほど、複数のソフトで同時にタスクをこなす速度が速いことを示しています。
Ryzen 7 5700Xのスコアは、比較したほかのCPUよりも若干高く、マルチコア性能にも優れているという結果です。
スコア自体も十分な数値を計測しているため、動画編集や配信など、マルチタスク用途で使用する分にもほとんど問題ありません。
ゲームプレイしながら配信を行おうと考えている方や、仕事で複数のソフトを同時に処理したい方にもおすすめです。
Ryzen 7 5700XやIntel Core iシリーズとの比較
ここでは、Ryzen 7 5700Xの上位モデルである「Ryzen 7 5800X」やライバルである「Intel Core i7 12700」との性能比較を紹介します。
性能や価格を比較し、第三者の視点でおすすめのCPUを紹介するので、CPUの購入を迷っている方はぜひ参考にしてください。
Ryzen 7 5700X vs Ryzen 7 5800X
| CPU | Ryzen 7 5700X |
| 世代 | 第4世代 |
| コア数/スレッド数 | 8コア/16スレッド |
| Pコア定格/最大クロック | 3.4GHz/4.6GHz |
| L2キャッシュ | 4MB |
| L3キャッシュ | 32MB |
| TDP | 65W |
| CPU Mark | 26815 |
| Cinebench R23 | 13802 |
| 価格（2023年6月現在） | 28,980円 |
| CPU | Ryzen 7 5800X |
| 世代 | 第4世代 |
| コア数/スレッド数 | 8コア/16スレッド |
| Pコア定格/最大クロック | 3.8GHz/4.7GHz |
| L2キャッシュ | 4MB |
| L3キャッシュ | 32MB |
| TDP | 105W |
| CPU Mark | 28084 |
| Cinebench R23 | 15228 |
| 価格（2023年7月現在） | 30,680円 |
Ryzen 7 5700XとRyzen 7 5800Xの性能を比較したところ、シングルタスク性能・マルチタスク性能の両方でRyzen 7 5800Xの方が上回っていることがわかりました。
Ryzen 7 5800Xは、最大クロック数やTDPの性能がRyzen 7 5700Xより上回っているため、上位モデルとして相応のスコアを発揮しています。
また、価格について比較すると、販売ストアによっては5,000円程度の差が出ることがあるものの、価格ドットコムの最安値で比較すると約2,000円程度の差しかありません。
性能に応じて価格も順当に高くなっている印象であるため、予算重視の方はRyzen 7 5700X、性能重視の方はRyzen 7 5800Xを選ぶのがおすすめです。
Ryzen 7 5700X vs Intel Core i7 12700
| CPU | Ryzen 7 5700X |
| 世代 | 第4世代 |
| コア数/スレッド数 | 8コア/16スレッド |
| Pコア定格/最大クロック | 3.4GHz/4.6GHz |
| L2キャッシュ | 4MB |
| L3キャッシュ | 32MB |
| TDP | 65W |
| CPU Mark | 26815 |
| Cinebench R23 | 13802 |
| 価格（2023年6月現在） | 28,980円 |
| CPU | Intel Core i7 12700 |
| 世代 | 第12世代 |
| コア数/スレッド数 | 12コア/20スレッド |
| Pコア定格/最大クロック | 2.1GHz/4.9GHz |
| L2キャッシュ | 12MB |
| L3キャッシュ | 25MB |
| TDP | |
| CPU Mark | 31146 |
| Cinebench R23 | 21568 |
| 価格（2023年3月現在） | 44,678円 |
Ryzen 7 5700XとIntel Core i7 12700の性能を比較したところ、シングルタスク性能・マルチタスク性能の両方でRyzen 7 5800Xの方が大幅に上回っていることがわかりました。
理由としては、コア数やスレッド数、L2キャッシュの性能差が関係していると考えられます。
ただし、性能の高さに応じて価格も高くなっているため、必ずしもIntel Core i7 12700を選ぶのがおすすめとは限りません。
Ryzen 7 5700Xのスコアも十分高いことから、普通にゲームや配信をするだけなら十分な性能です。
一方、格ゲーやFPSゲームをはじめとした、処理の重いゲームを頻繁にやり込む方はIntel Core i7 12700を選ぶとよいでしょう。
Ryzen 7 5700Xが向いている用途
| 用途 | 解説 | 評価 |
|---|---|---|
| インターネット（動画閲覧・ショッピング） | YOUTUBE等で動画を観ながらの、ショッピング | ◎ |
| ビジネス（Officeソフト・Web会議など） | Officeソフトでの資料作りをしながらの、Web会議 | ◎ |
| ゲーム | 3Dグラフィックを駆使した流行りのゲーム | ◎ |
| 動画・画像編集 | フルHD・4Kでの動画や画像編集 またはゲームの動画配信 | ◎ |
| 3D制作 | 3D CADやBlenderなどを使用した3Dモデリング | ◎ |
Ryzen 7 5700Xは、シングルタスク性能とマルチタスク性能のどちらでも優れた処理能力を発揮するため、ほとんどの用途で快適に利用できます。
比較的処理が軽いインターネットの閲覧はもちろん、3Dグラフィックを駆使した最新ゲームやビジネス用途でも問題なく使用可能です。
ただし、ゲーム用途ではCPUの性能よりもGPUの性能が必要になるため、4Kやレイトレーシング機能を使ってグラフィックを向上させるなら、ミドルクラス以上のGPUを選びましょう。
Ryzen 7 5700Xと組み合わせる場合は、ミドルクラス以上の性能を持つ「RTX 4060」あたりを選ぶのがおすすめです。
Ryzen 7 5700Xに対応したマザーボード
| AMD Ryzen 7 5700X | |
|---|---|
| 対応ソケット | AM4 |
| 対応チップセット | X570,X470,B550,B450,A520 |
Ryzen 7 5700Xに対応したマザーボードは、上記表の通りです。
大前提として、マザーボードは搭載するCPUのソケットとチップセットが一致している必要があります。
上記表に載っていないソケットやチップセットのマザーボードを選んでも、Ryzen 7 5700Xと組み合わせられないので注意してください。
また、マザーボードを選ぶ際は、オーバークロック対応の有無についても注目しましょう。
オーバークロックとは、CPUの定格クロック数を超えて、処理速度を高速化できる機能です。
Ryzen 7 5700Xはオーバークロック対応CPUであり、どのチップセットを選んでもオーバークロックができるので、処理速度をあと一歩向上させたいときに使用してみてください。
Ryzen 7 5700X搭載おすすめPC
ここからは、Ryzen 7 5700Xを搭載したおすすめゲーミングPCを3モデル紹介します。
ミドルハイクラスの高性能なモデルを厳選して紹介するので、ぜひ参考にしてください。
予算重視なら「NEXTGEAR JG-A7G60」がおすすめ
グラフィック : RTX 4060
メモリ : 16GB
ストレージ : 1TB SSD
- エントリーモデル並みの予算で購入できる
- 『Apex Legends』でフルHD240fpsを目指せる
- ゲームジャンルによっては4Kプレイも十分可能
- 設定次第では『Apex Legends』で240fpsを切ることもある
- 重いゲームを4Kでプレイすると画質が安定しない可能性がある
Ryzen 7 5700Xの性能を十分に活かせる、RTX 4060のGPUを搭載したモデルです。
ゲームジャンルによっては、4Kでも快適にプレイできるほか、フルHD設定なら高フレームレートを発揮できます。
とくに、『Apex Legends』ではフルHD240fpsの画質でプレイヤーがヌルヌル動くため、PCの性能が原因で撃ち合いに負けることはまずありません。
FPSゲームを中心にプレイする方はもちろん、予算重視でゲーミングPCを購入したい方におすすめです。
コスパ重視なら「NEXTGEAR JG-A7G6T」がおすすめ
グラフィック : RTX 4060 Ti
メモリ : 16GB
ストレージ : 1TB SSD
- 性能と価格のバランスが良い
- 『Cyberpunk 2077』をWQHD60fps以上でプレイできる
- 4KやWQHDでもほとんどのゲームを60fps以上で遊べる
- もっとハイエンドなモデルも存在する
- 4KやWQHD対応の高性能モニターとセットで購入する必要がある
価格と性能のバランスが良い、ミドルハイクラスのゲーミングPCです。
フルHDでフレームレートを比較した際はRTX 4060搭載モデルと大きな差がないののの、WQHDや4Kに設定すると、ゲームタイトルによってはフレームレートに10fps以上の差が出ます。
とくに、比較的処理が重い『Cyberpunk 2077』などのタイトルは、RTX 4060 Tiよりも低い性能のGPUで4KやWQHDで60fps以上の安定したフレームレートを維持できません。
よって、重いゲームでもWQHDや4Kでプレイしたい方は、「ガレリア XA7R-R46T」がおすすめです。
最高クラスの性能を求めるなら「ガレリア XA7R-R47T」がおすすめ
グラフィック : RTX 4070 SUPER
メモリ : 16GB
ストレージ : 1TB SSD
- ほとんどのゲームで4K60fpsを安定して発揮できる
- DLSSやレイトレーシングをオンにしても快適な画質を維持できる
- FPSゲームではフルHD240fpsを安定させられる
- 価格が高い
- 用途によってはオーバースペック
RTX 4070のGPUを搭載した、ハイエンドモデルのゲーミングPCです。
ほとんどのゲームを4Kでプレイできるほか、FPSゲームではフルHD240fps以上を安定して維持できます。
また、DLSSやレイトレーシングをオンにしても快適な画質を維持できるため、グラフィックの作り込みに力を入れているゲームであれば、最高のゲーム体験ができるのは間違いありません。
グラフィックにとことんこだわりたい方におすすめのモデルです。
Ryzen 7 5700X比較まとめ
- Ryzen 7 5700Xはあらゆる用途に向いている
- Ryzen 7 5700Xはミドルクラスの性能を備えている
- Ryzen 7 5700Xはコスパを重視している方におすすめ
Ryzen 7 5700Xは、シングル性能・マルチ性能ともに高いスコアを発揮しているため、ビジネスやゲームなどのあらゆる用途に向いています。
高性能なGPUを組み合わせれば、4K設定でもフレームレートが不安定になることはほとんどありません。
ほかにも、Ryzen 7 5700Xより高性能なCPUは数多く存在しますが、性能の高さに比例して価格も上昇していきます。
したがって、コスパの高いゲーミングPCが欲しい方は、Ryzen 7 5700X搭載モデルがおすすめです。
本記事で紹介しているモデルを参考に、自身の用途に応じて適切なスペックを備えるモデルを購入しましょう。
コスパの良いゲーミングPCが欲しい方は、「予算15万円以下で買えるおすすめゲーミングPC コスパ重視で購入できる人気の価格帯について解説」でもおすすめモデルを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
