『PS Vita』が流行らずに死んでしまった5つの理由

「PS Vita」の生産が2019年に停止されることが、各メディアの報道でわかった(ファミ通)。また、ソニーは「PS Vita」の後継機についても「携帯機の新型については発表の計画を持っていません」としている。

「PS Vita」市場は何年も前から落ち込んでいた

これはなにも驚くべき宣言ではない。世界的に見て携帯ゲーム機市場に活気があるとされる日本でさえ、vitaは好調とは言えなかった。

ゲームショップの店頭で展示されているゲームのパッケージを眺める習慣を持つ人間なら、いつみてもvitaコーナーの顔ぶれが変わらないことに気付いただろう。『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』、『GRAVITY DAZE』、『マインクラフト』、パワプロ、プロスピ、スパロボ、狩りゲー、ギャルゲー、ファルコムゲー・・・。悪くはない。中にはvitaごと買っても損しないほどの名作もある。しかし、毎月のように違う話題作が出てくる家庭用ハードと比べてvitaでの新作販売が停滞していたのも事実だ。

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もしこのままソニーが携帯ゲーム機の開発から撤退するなら、ニンテンドー3DSあるいはニンテンドースイッチとの競争を諦めることを意味する。より巨大なコンソールゲーム市場でのシェアは圧倒的に「PS4」が覇権を握っているとはいえ、今回の決断でソニーは2004年12月12日以来努力し続けた携帯ゲーム機市場そのものを失うかもしれないのだ。

ソニーはなぜ「PS Vita」の生産終了という答えを下したのか?海外ゲームブログThe Loot Gamingは背景を分析している。

「PS Vita」が終わった5つの理由

PS Vitaの前任者であるPSPは累計で8000万台以上を売り上げている。一方PS Vitaの合計販売台数は約1600万だ(なお、ニンテンドーDSは約1億5000万台、3DSは約7300万台)。

こうした落ち込みの原因は一般的に、携帯ゲーム機全般が世界的なスマホの普及に太刀打ちできなかったからだと説明されている。

そうかもしれないが、ここはあえてソニー自身の問題に目を向けてみよう。

1. DualShock 4の公式サポートがなかった

デュアルショック4

PS Vitaの小さな物理ボタンは、ときどき操作が厄介に感じる。この問題は、PS4公式コントローラーであるDualShock 4でPS Vitaを操作できるようにすれば解決する。また、そうすることでPS Vitaのボタンの一部が故障したときにも役立つはずだ。

特定のプラグインを使えばDualShock 4でvitaを操作する方法がないわけではないが、ソニーはサポートしなかった。できるはずなのに。

2. PSPゲームの移植でデュアルスティックを使わなかった

PSPゲームのVitaへの移植はしばしば怠惰だ。PS Vitaでゲームをプレイするならアナログスティックを2本とも使用するべきだ。

3. メモリが高すぎる

PS Vitaのメモリーカードは汎用ではなく専用メモリーカードを使っているために在庫不足が続いており、あまりにも高価だ。

解決方法はハッキングして安いSDカードを使えるようにするか、ソニーがSDカードをサポートするかだ。今となってはもう遅すぎるが。

4. 新型PS Vitaの液晶パネルの問題

ソニーによれば、新型PS Vitaは旧型PS Vitaよりも優れている。しかし、それは疑わしい。有機ELから液晶にパネルが切り替えられたことで、安価になったかわりに品質は低下した。バッテリーが改善されたとは言われているが、ユーザーが実感できているとは思えない。むしろ、新型より旧型のVitaを推奨する声すら聞く。

いずれにせよ、このアップグレードが製品の世代交代を遅らせることはできなかった。

5. ソニーが諦めた

ps4

PS Vitaがどれだけ不調でも、ソニーが諦めなければ終わらなかったはずだ。

ソニーはvitaにPSVRとの連動をはじめより多くの新機能を追加することもできたし、より多くのゲームを開発することもできた。大きなリスクを伴うが、Vitaを救うためには必要なことだった。

PS Vitaの持つ可能性―クロスプレイ、PS4との連動―は本物だった。しかしそれが十分に生かされることはなく、結局のところ、ソニーは諦めた。

PS Vitaは完全に死んだのか?

ソニーからPS Vitaの後継機が出る気配はなく、またPS Vita向けにゲームを開発していたサードパーティからも携帯ゲームへの情熱は失われたかのように見える。

フィナンシャル・タイムズのインタビューで、ソニーの吉田憲一郎社長は「PS4の後継機開発に着手している」ことを明言している。

同時に、フィナンシャル・タイムズいわく、ビデオゲームのオンラインストリーミングの普及した未来に向けてソニーは複数デバイスに接続可能なタブレットを開発していると業界内で噂されているという。

PS5がニンテンドースイッチのようなハイブリッド機になるかどうかはともかく、将来的にソニーはPS Vitaができなかったことに再チャレンジするだろう。その時、PS Vitaは「PS Vita2」ではない形で復活するはずだ。

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  1. Anonymous

    SONYが「PS VITA」に対する情熱を早々に失った事は明確だった
    そもそもVITA戦略には多くの迷走が伴った
    docomoの3Gを利用したサービス(本当に必要だったのか?遅く不安定な通信品質に高額な利用料は何のメリットにもならなかった)
    有機ELからの撤退、高額な専用メモリーカードの採用、そして何よりもソフト不足(モンスターハンターの3DSへの移籍)、など

    PS4との連携機能は本当に期待したし、遠隔でPS4を操作できるという触れ込みにも期待したけれど、結局はラグがひどく、画質も落ちるので殆ど使えなかった
    そして決定打となった「VITA TV」の不発…
    これで多くのユーザーはVITAの将来性に期待が持てなくなったに違いない

    個人的にはSONYに携帯ゲーム市場を諦めて欲しくない
    いやスマートフォンが普及するにしても、携帯ゲーム市場を任天堂の独占にしてはいけないと考えている
    それは決して任天堂を敵視するのでは無く、適度なライバル関係や競争があってこそ、発展や進歩が望めると考えるからだ

    恐らくはSONYが次の一手を模索しいているだろうし、もう既に具体的な仕様や機能が固まっているのかもしれない
    SONYファンとしては期待したいところだが、どうせなら世の中のゲームファンの度肝を抜く、想像を超えた商品を届けて欲しいと願う

    PS5やPSVR2との連携、更には5G時代を見据えたXperia等との連携・融合
    またSONYが抱える様々な製品ブランド、BRAVIA、α、Walkman、Cyber-shot、aibo、 Handycam、etc…があるのだから
    それらとの有機的な繋がりを感じられる商品展開を期待したいところ
    それこそがSONYの強み「It’s SONY」なのだから