【実測で比較評価】Seagate『FireCuda 530』をレビュー! ゲーマー&クリエイターに最適な「超高速・高耐久」のGen4対応M.2 SSD
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Seagateはゲーマー向けSSDの最新作『FireCuda 530』を今年8月に発売しました
当サイトでは前モデル『FireCuda 520』のレビューと更に書込み速度などの性能がアップしたリニューアル版「FireCuda 520」のレビューを行っています。
さらに新発売のGen5に対応した『Fire Cuda 540』の具体的な進化についてもレビューをしています。
『FireCuda 530』のキャッチコピーは「耐久性とスピード、全てを手に入れた!Seagate史上最高傑作SSD登場。」
「このキャッチコピー通りに進化しているのか?」というところも含め、『FireCuda 530』をヘビーゲーマー目線で、
- 『FireCuda 520』と『FireCuda 530』の性能にはどれだけの差があるのか?
- そもそも『FireCuda 520』と『FireCuda 530』の性能差はゲームプレイに現れるのか?
- 『FireCuda 530』は他のSSDとどれくらい違うのか?
を検証していきます。
公式サイト:超耐久性x超高速FireCuda530新登場| Seagate
目次
『FireCuda 530』はこんな人におすすめ
- 【ゲーミング】ゲームのロード時間を限界までスピードアップしたい人
- 【快適さ】PC上のあらゆる作業を圧倒的に快適にしたい人
- 【耐久性】絶対にデータ破損してほしくない人
- 【寿命】パーツをできるだけ長持ちさせたい人
『FireCuda 530』は公称値を上回る圧倒的な性能で「耐久性・寿命・サービス・スペック」すべての基準をクリアしており、
実際に検証した結果「SSD購入を検討しているゲーマーにベストな選択」だと感じています。
ヘビーゲーマーが、もしくは長期的な視点で今SSDを買うなら、『FireCuda 530』が圧倒的におすすめです。
『FireCuda 530』の公式スペック
「FireCuda 530」 | |
---|---|
インターフェイス | PCIe Gen4 ×4、NVMe 1.4 |
シーケンシャルリード(連続読み出し) | 7,300MB/秒 |
シーケンシャルライト(連続書き込み) | 6,000MB/秒 |
合計書き込みバイト数(TBW) | 1,275TB |
平均故障間隔(MTBF、時間) | 180万時間 |
データ復旧サービスRescue | 3年間無料 |
保証期間 | 5年 |
長さ | 80.15mm |
幅 | 22.15mm |
高さ | 3.58mm |
重量 | 8.1g |
『FireCuda 530』の公式のスペックによれば、シーケンシャルリード(読み込み速度)とシーケンシャルライト(書き込み速度)は前モデルの『FireCuda 520』と比べて大幅な進化を遂げており、平均故障間隔は世界トップクラス。
こうした「公称」がどこまで正しいのか、ゲーマー目線で順番に検証していきます。
『FireCuda 530』ベンチマークテスト
検証環境(ガレリア XA7R-R37) | |
CPU | Ryzen 7 3700X |
---|---|
GPU | RTX 3070 8GB GDDR6 |
メモリ | 16GB DDR4 SDRAM |
マザーボード | ASRock B550 TW |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
前回検証した『Seagate FireCuda 520』と全く同じ検証環境である「ガレリア XA7R-R37」を利用して『FireCuda 530』のベンチマークをとってみました。
前回の「『Seagate FireCuda 520検証記事」と比較しながら、『FireCuda 530』が他のSSDと比べてどれくらいパフォーマンスが違うのかも検証します。
ちなみに、PCによってはPCIe4.0対応スロットはグラフィックボードの裏に隠れているうえ、場合によってはPCIe4.0対応スロットにPCIe3.0対応SSDがデフォルトで刺さっており、精密ドライバーを使って付け替える必要があるのでご注意を!
『FireCuda 530』のようなPCIe4.0対応SSDは、PCIe3.0対応スロットに接続しても勿論高速ですが、PCIe4.0対応スロットに差し込まないと真の実力を発揮できません!
『FireCuda 530』のベンチマークスコア
ベンチマークソフトの定番「CrystalDiskMark」を利用して『FireCuda 530』のパフォーマンスを計測してみました。
「SEQ1M Q8T1」(シーケンシャルリード)が7375.62MB/sと、公称値最大の7,300MB/sを大きく上回る数値が出ています。シーケンシャルライトも6112.99MB/sと、公称値最大6,000MB/sを超える数値。
前モデルと比べても大幅なアップデートを遂げています。
FireCuda 520 | FireCuda 530 | |
---|---|---|
読み込み速度(検証) | 4992.92MB/s | 7375.62MB/s |
書き込み速度(検証) | 4285.93MB/s | 6112.99MB/s |
「インテル 660p SSD PEKNW」のベンチマークスコア
こちら、「ガレリア XA7R-R37」にデフォルトでついていたPCIe3.0(Gen3)対応のNVMe SSDのベンチマークスコア結果です。
ライトゲーマーにとっては十分すぎるハイパフォーマンスなのですが、『FireCuda 530』と比べてしまうとかなり劣っているのがわかります。
外付けHDD「Seagate ST4000LM016」のベンチマークスコア
こちらは古い機種ですが、ファイル保存用に利用していた外付けHDDのベンチマークスコアです。
上記画像は2012年2月に計測したものですが、2021年8月に再計測した結果が以下の通りです。
露骨にパフォーマンスの低下の一途を辿っており、もうこのHDDはゲーミング用には使っていません。というか、重要ファイルの保存先にも使っていません
ゲーマーに限らず、PC上でハードに作業する人にとってもHDDは全くおすすめできません。
『FireCuda 530』ベンチマーク中の最高温度
HDDやSSDの温度を監視できるソフト「CrystalDiskInfo」を利用して、「CrystalDiskMark」でベンチマークを計測している最中の『FireCuda 530』の温度を計測してみました。
平常時は37度程度、ベンチマークを立ち上げると47度まで上昇、その後ベンチマークソフトが読み込み(リード)から書き込み(ライト)測定に入るとだんだん51度まで上昇。
最終的には再び44度程度まで下がって測定終了でした。
『FireCuda 530』動作時の内部温度は0度~70度という仕様になっているので(FireCuda 530 1TB – 仕様書)、ストレージの発熱問題は全く気にする必要はないようです。
『FireCuda 530』でゲームのロード時間は短くなるのか?
コアゲーマーにとって気になるのはやはり「SSDを変えることでどれだけゲームのロード時間が短くなるのか?」ということでしょう。
今回は3つのSSDを使って『サイバーパンク2077』の「ポンプ場からエンバースへ」「エンバースからポンプ場へ」のファストトラベルで往復します。
計測する時間は「ファストトラベル先をクリックしてから、ロード画面が消えるまで」。
「ガレリア XA7R-R37」にデフォルトで入っていたGen3対応のSSDとGen4対応の『FireCuda 520』および最新モデルの『FireCuda 530』でそれぞれ計測しました。
まずはこちらがGen3対応SSDで計測した『サイバーパンク2077』のロード時間です。
「ポンプ場からエンバースへ」が16秒。「エンバースからポンプ場へ」が15秒という結果に。
次に、こちらが『FireCuda 520』における『サイバーパンク2077』のロード時間です。
「ポンプ場からエンバースへ」が14秒。「エンバースからポンプ場へ」が15秒でした。
最後に、『FireCuda 530』における『サイバーパンク2077』のロード時間です。
「ポンプ場からエンバースへ」が14秒。「エンバースからポンプ場へ」が14秒でした。
結論から言えば、『サイバーパンク2077』のファストトラベルにおけるロード時間は各SSDで2秒しか変わりませんでした。
もしほとんどロードの入らないゲームをプレイするなら、この「たった2秒」のローディングタイムの差には何の価値もないでしょう。
しかし、何度も繰り返しマップをロードするFPSやバトルロイヤル、死にゲー、ステージクリア型のゲーム、ロード多めのオープンワールドゲームであれば「2秒の差」が積み重なって、全体的にゲームプレイの快適さに大きな変化をもたらします。
ほんの1秒のロードを縮めるためにPCをカスタマイズしているヘビーゲーマーからすればこんなに優秀なPCパーツはありません。ただストレージを変えるだけでいいのですから!
『FireCuda 530』の耐久性を他社製品と比較してみた
製品 | FireCuda 530 | Samsung 980 PRO |
---|---|---|
TBW(総書き込み容量/寿命) | 1,275TB | 600TB |
MTBF(平均故障間隔) | 180万時間 | 150万時間 |
データ復旧サービス | 「Rescue」が無償 | なし |
SSDの故障を経験したことのあるゲーマーなら、SSDはパフォーマンスと同じくらい「耐久性」が重要であることをご存じでしょう。
『FireCuda 530』の売りは「速度」と「耐久性」、そして「長持ちすること」です。
『FireCuda 530』の「耐久性」にフォーカスして他社製品を上回る点を紹介します。
他社の10倍以上の総書き込み容量
どんなHDDにもSSDにも寿命は存在します。
『FireCuda 530』は、フルHD1時間50GB前後のゲーム動画の書き込みがあった場合、そしてそれを1日8時間行った場合(このような使い方をする人が存在するとすれば)、35年間で総書き込み容量に達します。
これがいわばSSDの寿命ですが、『FireCuda 530』は間違いなく最も寿命の長いSSDの一つです。
MTBF(平均故障間隔)が最⼤180万時間
MTBFとは平均故障間隔を意味し、製品が「いかに壊れにくいか」という信頼性を表す指標です。
『FireCuda 530』が1回故障してから次に故障するまでの平均時間は180万時間。年に換算すると205年以上なので、ユーザーとしては故障の心配をせず安心してデータを保存できます。
データ復旧サービス「Rescue」が無償で付帯
Seagateならではの無料特典がデータ復旧サービス「Rescue」です。
- 購⼊後3年間はデータ復旧が1回無料
- データ復旧はデータ復元専⾨家チームが対応
- 95%のデータ復旧率
- 復元データは暗号化して送付
- 送料と復元データ媒体、共に無料
SSDのデータを破損して、民間業者に依頼した結果「データ復元には30万円以上かかりますよ」なんて言われた経験のある人も多いのではないでしょうか?
筆者は有償のデータ復旧ソフトを利用して全体の10%程度のデータを復旧したことがありますが、素人が95%のデータを救うのはまず不可能です。
ゲーミングデバイスはパフォーマンスさえ高ければいいと思われがちですが、どんなSSDも最後には壊れる、ということを考えると、このようなサービスは絶対に重要です。
以下の記事ではSSDとHDDの使い方をそれぞれ紹介します。
以下の記事ではおすすめのゲーミングPCを紹介します。別途購入した『FireCuda 530』を増設して利用することをおすすめしますが、マザーボードがGen4に対応しているかどうか事前に調査しておきましょう。