カプコンにとって「日本一」は無意味 老舗アクションメーカーの覚悟

カプコンは再び全盛期を迎えているのかもしれない。

2018年のE3では世界中のゲーム開発者たちが各カンファレンスで大作を発表した。
ソニーは独占タイトル4本の新トレーラーを公開し、マイクロソフトは50本以上の新作を紹介、任天堂は『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』の詳細なゲームプレイを明らかにした。
しかし、中でも脚光を浴びた出展企業といえばカプコンだろう。
最近のカプコンが絶好調である事は疑いようがない。
モンスターハンターシリーズ最新作『モンスターハンター:ワールド』はカプコン史上1タイトル最高となる790万本の出荷を達成し、メタスコアはシリーズ最高の90点を記録

2017年12月5日には8年ぶりのシリーズ最新作『ロックマン11 運命の歯車!!』を発表している。

新メカニック「ダブルギアシステム」を導入

E3 2018の後、51メディアによってBEST OF E3を決定するGame Critics Awardsでは『バイオハザード2』のリメイク作『バイオハザード RE:2』がBest of Showを獲得
リブート作として発売されたninja theoryによる『DmC: Devil May Cry』を除けば実に11年ぶりのシリーズ最新作となる『デビルメイクライ5』の発表は、アナウンストレーラーがyoutube合計900万再生を超えるなど大きな話題を呼んだ。
E3に対するソーシャルメディアの反応を分析したSynthesioのレポートによれば、出展メーカーの中でカプコンが「言及された数」は6位。「肯定的な言及」にいたっては、自身でカンファレンスを主催したユービーアイソフトを差し置いて 1位を獲得している。

背後に流れる曲『Devil Trigger』にはネロとダンテに次ぐ第三の主人公Vの秘密が隠されているという

なお、2018年5月9日の決算説明会においてカプコンは「世界で戦える企業として成長すべく、今後当社の開発する AAA タイトルは、『モンスターハンター:ワールド』クラスのクオリティを基準としていきます。」と述べている。
従来の開発エンジンであるMT Frameworkで開発された『モンスターハンター:ワールド』に対し、E3で発表された2タイトルは『バイオハザード7』で導入された新エンジンRE ENGINEを利用しており、いやが上にも期待は高まる。

『バイオハザード7』と比較してもグラフィックは強化されている

カプコンといえば、コンソール前世代(PS3世代)において開発の比重を国内から海外に移していた事でも知られる。
『DEAD RISING 2』以降のシリーズは海外支社カプコンバンクーバー、『バイオニックコマンドー』はGRIN、『DmC: Devil May Cry』はninja theoryといったように人気シリーズの開発を西洋のデベロッパーに外注するケースが増えていた。
その結果としてスケジュールの遅延や計画の未達が繰り返され、カプコンは次世代ゲーム開発における課題に直面する事になった。
こうした試行錯誤は、ゲーム開発技術で日本が西洋に遅れを取り、国内市場も縮小していく中で避けられない変化だったのかもしれない。 しかし、『ストリートファイター2』から『バイオハザード4』に至るまで世界中のゲーマーを熱狂させ続けたかつての姿を思えば、当時のカプコンはゲーマーにとってやや物足りなく見えていた。

現在、『バイオハザード RE:2』は日本のカプコン第一開発部が、『デビルメイクライ5』は『デビルメイクライ4』『ドラゴンズドグマ』のディレクター伊津野英昭氏らが、『ロックマン11』では土屋和弘プロデューサーと小田晃嗣ディレクターがカプコン社内で開発者を募集してチームを組んで開発中だ。
これはカプコンの「国内回帰」の表れだろうか。
一方、カプコンCEO辻本憲三氏が「ケンゾーエステイト」のオーナーとして受けた東京カレンダーのインタビューでは「日本の人口がどんどん減っていくなかで、これからは「日本で一番」なんて大した意味を持ちません。最初から世界を目指し、世界でトップにならないといけない。 」と語っている。
開発の拠点がどこであろうと、カプコンの勝負する舞台がグローバル市場である事には変わりないというわけだ。

『ロックマン11』の発売日は 2018年10月4日。『バイオハザード RE:2』の発売日は2019年1月25日。『デビルメイクライ5』の発売日はまだ発表されていないが、プレスリリースによれば2019年3月末までには発売されるという。
立て続けに大作を発売するカプコンの勢いは止まらないように見える。
もちろん、世界で戦うためには最新のゲームエンジンや人気のIPだけではなくゲーム自体のクオリティが必須である。
カプコンとカプコンファンにとっての黄金時代は続くのか。
当サイト、HARDMODEでは『バイオハザード RE:2』『デビルメイクライ5』『ロックマン11』のレビューを予定している。

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