メタスコアとはなにか?メタスコアの意味・仕組み・見方・基準を解説
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新作ゲームが出るとよく「メタスコアが高いから凄い!」とか「思ったよりメタスコアが低くてがっかり」といった話題になります。メタスコアは「ゲームの海外評価」として使われていますが、本当に信用できるのでしょうか。メタスコアの見方を知らなければイマイチよくわかりませんよね。
この記事ではメタスコアの意味とメタスコアの仕組み、メタスコアの使い方を解説します。
メタスコアの見方
全時代、全プラットフォームのオールタイムメタスコアランキングはここから飛べます。プラットフォームを絞ったり、「By Year」をいじって発売年に限ったランキングにしたり、「By Most Discussed」をクリックすると「話題になったゲーム」ランキングになったりして面白いです。
ただし、表記は全て英語。日本未発売ゲームも多いうえ、レビュー数の少ないマイナーなゲームとメジャーなゲームが混在してごちゃごちゃしており、洋ゲーに詳しくないとわかりにくいかもしれません。
当サイト、HARDMODEではメタスコアをわかりやすくランキング化しており、最新ソフトのメタスコアが発表される度にランキングを更新していくので、ぜひチェックしてみてください。
以下の記事では「おすすめゲーミングPC」を総合的に紹介しています。色々なモデルからゲーミングPCを探したい人はぜひ参考にしてください。
メタスコアとはなにか
メタスコアとは、metacriticというサイトが発表しているゲームの点数のことです。『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』なら97点、『ファイナルファンタジー15』なら81点、『New ガンダムブレイカー』なら43点、という風に作品ごとに100点満点で評価します。ゲームに限らず、映画や音楽にもメタスコアを付けています。
メタスコアの仕組み
メタスコアの点数は、metacriticが勝手に決めているわけではありません。世界中の雑誌やサイトの「レビュー」を数値化したうえで集め、加重平均をかけてメタスコアを算出しています。
「数値化」とは、100点満点スケールを使っていないサイトのレビューも「100点満点だとしたら何点か」という数字に変換するということです。5段階評価で上から2つ目の評価なら、100点満点中80点として扱います。10点満点中8.5点のレビューは100点満点中85点として扱います。
「加重平均」のアルゴリズムは非公開ですが、報道によればmetacriticはメディアを重要度順にHighest、High、Medium、Low、Lower、Lowestと区別し、点数に重みづけを行っているようです。
メタスコアの基準
metacriticの基準では0点~49点が「赤色」、50点~74点が「黄色」、75点~100点が「緑色」と分類されています。 クソゲー、凡ゲー、良ゲーといったところでしょうか。
この公式区分が間違っているとは言いませんが、世に出るゲームをプレイしていると75点と90点の差は0点と74点の差よりも大きい気がします。
そもそも、その時々で点数の基準は変わります。 レビューサイトは年々増加し、ゲーム全体の平均メタスコアは毎年上下します。
かつては10点満点中3点や4点など尖ったレビューを出していたファミ通のクロスレビューは今や6点すら珍しいほど甘い基準で採点してます。今のゲームの点数と昔のゲームの点数は比較になりません。
個人的な見解ですが、現在の基準だと0点~65点が「クソゲー」、66点~79点が「凡作」、80点~84点が「良作」、85点~89点が「名作」、90点~100点が「神ゲー」というあたりでしょう。
メタスコアの特徴
メタスコアを発表しているmetacritic以外の「レビュー収集サイト」も存在します。GameRankingsとOpenCriticです。
GameRankingsは少数の古株メディアを中心に登録しています。OpenCriticはビデオゲームのみに特化しており、Metacriticとは若干登録サイトが異なります
これらのサイトの中で最も利用者が多いのがmetacriticです。次にOpenCritic、GameRankingsの順で使われています。どのサイトもスコアを出しておりゲームの評価を知るのに便利ですが、「メタスコア」と言えばmetacriticのスコアのことです。
ゲームの発売前にメタスコアが出る理由
多くのゲーム会社は、ゲームが発売する数週間前に有力ゲームメディアに「レビュー用コピー」という、実際に発売されるソフトと同じ内容のものを渡します。ゲーム会社からすればメディアがゲームの感想や紹介の記事を書いてくれると宣伝になるので積極的に協力するのです。
ただし、ゲーム会社側は「ネタバレはここまでOK」「ストーリーは第一章しか紹介しちゃダメ」などと情報を制限します。こうした制限を守らないとゲーム会社からレビュー用コピーを貰えなくなるので、ゲームメディアもルールを守ります。たまに情報制限を守らないメディアとゲーム会社が喧嘩していますが・・・。最悪のケースはレビュー用コピーそのものがネットに流出することで、こうなるともう一体何人の解雇者が出るのかわかりません。
「点数付きレビューは何日からネットにアップしても良い」というルールも存在しており、このレビュー解禁時間を「embargo」といいます。
多くのゲームは発売数日前に「embargo」を設定しますが、すべてがそうというわけではありません。
発売前日にレビューを解禁する会社(任天堂)、発売前にレビューを書かせない会社(ベセスダ)、レビューを書いてほしくても書いてもらえない小さな会社、など様々です。
メタスコアは信用できるのか
メタスコアは「海外の評価」です。metacriticはアメリカのサイトなので英語メディアを中心に登録していますが、中にはフランス語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、中国語、アラビア語などのメディアもあり、話題作となれば100以上のメディアレビューが付きます。
日本でのゲーム評価を知りたいならamazonレビューなりファミ通なりを読めばいいわけですから、より詳しく世界でのゲーム評価を知りたいならメタスコアを見るべきです。
メタスコアはゲーム業界において非常に重視されており、出版社によっては「一定以上のメタスコアを記録しないと開発チームに続編を作らせない」というルールがあるそうです。
かつて、ゲーム開発会社Obsidian Entertainmentは『フォールアウト:ニューベガス』を開発し、メタスコア84点を記録しました。ゲームプレイや世界観は高く評価されたものの、バグの多さが減点につながったようです。販売を担当したベセスダとの契約は「『フォールアウト: ニューベガス』のメタスコアが85点以上ならボーナスを支払う。84点以下なら何もなし」でした。Obsidianは条件に1点足りなかったために財政難に陥り、新プロジェクトがキャンセルになってしまいました。
その後、Obsidianはクラウドファンディングに頼って成功を収めましたが、いかにメタスコアが重視されているかがわかるエピソードです。ちなみに、この手の契約は大手出版社では当たり前といわれています。
過去にはゲーム会社からレビューサイトに対して圧力がかかったこともあります。ゲームを酷評したレビュアーに対し「良い点数に変えないとサイトに広告を出してやらないぞ」と脅し、レビュアーが従わなかったため、圧力に負けたレビューサイトはレビュアーを解雇しました。
これに対抗して、metacriticには「点数の修正を認めない」というルールがあります。一度発表した点数はそのまま登録され、たとえ修正してもメタスコアへは反映されません。「圧力をかけてもメタスコアが変わらないなら圧力をかける意味がないだろう」という理屈です。
レビューサイトがユーザーの信頼を失えばレビュー集積サイトも信頼を失いかねないので、metacriticも必死です。
ちなみに、圧力があろうがなかろうがあまりにメチャクチャな点数を付けるメディアはmetacriticに登録してもらえないか、いずれ登録を外されます。
なぜメタスコアは重要なのか
それにしても、なぜこれほどメタスコアは重視されるのでしょうか?
最大の理由は、世界中のゲーマーが「メタスコアは参考になる」と信用しており購入意欲に大きくかかわっているからです。 ゲームの規模や種類にもよりますが、メタスコア80点を超えたタイトルがまともに宣伝すればミリオンヒットは固いと思います。
個人的にも、「興味のないゲームだったけどメタスコアが高いからプレイしてみたら面白かった」という経験は一度や二度ではありません。知らなかったゲームに出会えるのはゲームレビュー文化とメタスコアのおかげです。
こういうゲーマーがたくさんいるとわかっているからこそ、ゲーム会社もメタスコアを気にするのでしょう。
ユーザースコアとは
ちなみに、metacriticのサイト上では「メタスコア」と並んで「ユーザースコア」も表示されます。これはメタスコアと違ってサイトの利用者が自由にレビューを書けるもので、amazonレビューに近いです。
どんな人でも点数を付けられるし、荒らして点数を操作することもできるので「メタスコア」と比べると信用性に欠けますが、よっぽどユーザースコアの低いゲームがあった場合、「あ、このゲームどっかで炎上したんだな」と察することができます。