『Fallout 76』はなぜ炎上してしまったのか?
当ページのリンクには広告が含まれています。
『Fallout 76』が炎上している。
Metacriticではメタスコア(批評家の評価)もユーザースコアもボロボロで、あらゆる海外ゲームサイトで『Fallout 76』の「失敗」についての書き込みが伸びまくっている。
ベセスダとユーザーの関係に亀裂が入るようなトラブルがあったわけではないのに、ただゲームの出来が良くないという理由での炎上はちょっと珍しい。メタスコアを見る限り、アンチファンが騒いでいるだけとも思えない。
このゲームに何が起こったのだろうか?
近年のAAAタイトルで最も低いレビュースコアに衝撃が走る
『Fallout 76』のメタスコアはPS4で52点、XboX Oneで49点、PCで55点となっている。
この数値が何を意味するかよくわからない人のためにメタスコアの解説記事から点数の基準を引用する。
metacriticの基準では0点~49点が「赤色」、50点~74点が「黄色」、75点~100点が「緑色」と分類されています。 クソゲー、凡ゲー、良ゲーといったところでしょうか。
この区分が間違っているとは言いませんが、世に出るゲームをプレイしていると75点と90点の差は0点と74点の差よりも大きい気がします。
そもそも、その時々で点数の基準は変わります。 レビューサイトは年々増加し、ゲーム全体の平均メタスコアは毎年上下します。
現在の基準だと、0点~65点が「クソゲー」、66点~79点が「凡作」、80点~84点が「良作」、85点~89点が「名作」、90点~100点が「神ゲー」評価というあたりでしょう。
つまり、フォールアウトシリーズの新作がプロのゲームレビュアーたちから「クソゲー」だと宣告されているも同然の状況にあるのだ。
以下、海外レビューから一部抜粋
- 近年のRPGで最も弱いメインストーリー
- バランスの悪いPvP
- ほとんどのプレイヤーはこのゲームを面白いと感じる前にプレーをやめてしまう
- クエストの大半がお使い
- バグだらけで不安定なパフォーマンス
- 深刻な技術的欠陥
- 『アンフィカー・770型』のように中途半端なゲーム
- 反復的で磨かれていないコンテンツ
- ベセスダ史上最悪のゲーム
もちろん、大作や有名シリーズの新作だからといって絶対に面白いわけではないし、必ず評判がいいわけでもない。AAAタイトルの失敗例など枚挙にいとまがない。
フェイシャルモーションをはじめとした数々のアニメーションバグで大炎上の末、失敗作の烙印を押されフランチャイズを終焉に導いたかに思われる『マスエフェクト・アンドロメダ』がメタスコア71点
大作のシステムを流用して全面的にオンライン化したという点で『Fallout 76』と共通する『メタルギア・サヴァイヴ』がメタスコア60点
シリーズ初のオープンワールドを謳って壁にぶちあたった『真・三國無双8』がメタスコア65点
ルートボックス問題で世界的な大炎上をかましEAのビジネスに大きな打撃を与えた『スター・ウォーズ バトルフロントII』がメタスコア68点
それにしても、『Fallout 76』のレベルで極端にレビュースコアの悪い大作が他にあっただろうか。過去20年のゲームを調べたところ、『Fallout 76』以上の炎上を経験した旧『ファイナルファンタジーXIV』が唯一、『Fallout 76』と肩を並べるメタスコア49点(26レビュー)という酷評を食らっているのを確認できた。
もっとも、『ファイナルファンタジーXIV』に関しては評判の悪かったゲームシステムを完全に破棄し、同タイトルの別作品として作り直すことで復活を遂げている(『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』はメタスコア83点)。
「初期はダメダメだったが大幅な修正を経てユーザーの支持を獲得したオンラインゲーム」という意味では『エルダー・スクロールズ・オンライン』もFF14と同様だ。
『Fallout 76』は「新生」を迫られているのかもしれない。
なお、大作でも話題作でもないが評価が低いゲームには『蒼き革命のヴァルキュリア』のメタスコア54点などがある。ゲームのメタスコアランキングは以下の記事にまとめている。
『Fallout 76』のレビュースコアへの海外の反応まとめ
これらのゲームと比べてCo-Op、戦闘システム、成長システム、クラフト、ワールドマップ、収集、イベントやクエスト(『フォールアウト76』も良くはないが他はもっと悪いからね)といった多くの要素で『フォールアウト76』の方が優れている
つまり、ストーリーに期待して『フォールアウト76』を買うとがっかりするかもしれないが、現時点で最高のCo-opサバイバルゲームを求めるなら『フォールアウト76』はぴったりだよ!
Some people really don't want their copy of Fallout 76 pic.twitter.com/a0yQBA3UYT
— Geoff @ Holiday Matsuri (@GeoffLife) 2018年11月19日
『Fallout 76』の今後
『Fallout 76』は今後のために何をすべきだろうか?バグ修正はすぐにでも必要だ。武器の名前がバグって「参加/招待処理に失敗しました。もう一度お試しください」と表記されるような些細な話ではなく、ゲーム自体がクラッシュしたりクエストの進行が不可能だったりする問題のことだ(一部は既に修正されている)。
独自の楽しみを見出せないプレイヤーにとって触れる動機がないPvP周りも調整が必要。今更NPCを出せとは言わないが、フォールアウトならではのRPGらしさを感じる仕掛けがもう少しあっても良いし、せっかくのオンラインゲームなのに他のプレイヤーの存在を最も強く感じる場面が先にJUNKが奪われていた時だというのも寂しい。
今すぐファンを落ち着かせたいなら単純に、トッド・ハワードが「『Fallout 76』とは別のチームが『Fallout 5』を作ってるところだよ」と言えば済む話なのかもしれないが。
当サイトは『Fallout 76』のベータ版をレビューしている。海外レビューと見比べてみてほしい。
俺はこのゲームを楽しんでる。確かにバグは多い。ベセスダが修正してくれることを祈っている。
売上が悪いせいでベセスダが修正を放棄しなけりゃいいけど。