フォールアウト76

【レビュー】『Fallout 76』B.E.T.A.を20時間プレイした感想 オンライン化されたフォールアウトは期待に応えたか

注意
この記事は『Fallout 76』のベータ版を約20時間プレイした時点で書かれた暫定的なレビューです。

Fallout 76

Fallout 76
ジャンル  : アクションRPG
機種    : PS4/Xbox One/PC
開発    : ベセスダ・ソフトワークス
発売日   : 2018年11月15日
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総評

オンラインサバイバルとフォールアウトの融合は理想のマルチプレイヤーゲームにはなれなかった。アップデートに期待。

7/10
良い
  • ワークショップとC.A.M.P.の構築
  • 寂寥とした雰囲気
  • 探索と発見の喜び
  • サバイバルでありながらほどよく快適
  • PvPの敗北に寛容なシステム
  • 厳しすぎない資源管理と体調管理
  • 楽しいCo-op
  • 多様なビルド
悪い
  • NPCが恋しい
  • 反復的なクエスト
  • クラッシュや進行不能バグ
  • 迫力のないシューター
  • 孤独
  • サーバーのラグと操作性が相まってぎこちない戦闘
  • 義務的にホロテープを集めて聴くストーリー

『フォールアウト76(Fallout 76)』は10月23日からベータテストを開始し11月15日に製品版が発売されるアクションRPGだ。
ファーストインプレッションと言うには長すぎる時間を遊んだ感想を、暫定レビューという形で書く。

『Fallout 76』の背景

ファニー

『Fallout 76』は前作『Fallout 4』以来3年ぶりのフォールアウトシリーズ最新作だ。
シリーズでは初めてオンラインプレイをサポートしており、『Fallout 4』の4倍にも達するベセスダ史上最大のオープンワールドを探索するアクションRPGとなっている。

『Fallout 76』のジャンルこそこれまでと同じ「アクションRPG」で、見た目やアセットは『Fallout 4』っぽいが、中身はむしろ『SCUM』のようなオープンワールドサバイバルゲームと、お使いしながらストーリーを進行させる昔ながらのMMOと、会話文ではなくコンピューターのログやホロテープの音声で世界観を教えてくれる環境ストーリーテリング(environmental storytelling)のミックスだ。

これまでと違うのはゲームデザインだけではない。PC版の販売もSteamから撤退し、Bethesda.net専売となっている(記事)。

ベセスダがなぜフォールアウトのオンライン化などということを考え付いたのかはわからない。ロックスターのGTAオンラインに触発されたのかもしれない。オンライン版フォールアウトの発表に対しシリーズのファンたちは、これまでのシリーズと同等のクオリティで未来の核保有国のパラノイア的ポスト・アポカリプスを表現できるのかと懐疑的だった。

「NPCがいない、ストーリーが薄い、MODをサポートしない、シングルプレイですらないフォールアウトだって?ありえない!」

不安の一部は外れ、一部は的中したように見える。

(※ 正確には、『Fallout 76』ではMODがサポートされる。ただし将来的に実装されるプライベートサーバーのみ。現在はパブリックサーバーで事実上のチートとしてMODが利用されている。PvPのあるゲームなだけに、ベセスダも黙認はできないだろう。)

孤独なアパラチア

アパラチア

『Fallout 76』は『Fallout 4』と同じ面(Pipboy)もあれば、違う面(S.P.E.C.I.A.L.)もある。よく似ている点(雰囲気)もあれば、全く異なる点(ストーリー)もある。

『Fallout 76』の舞台となるアパラチアには数十人の生きたプレイヤーが存在する。地図を見ればどのプレイヤーが今どこにいるかまで正確に把握できる。やろうと思えばワールド中の全員とボイスチャットで(英語と中国語を喋れるなら)コミュニケーションをとることもできるはずだ。テキストチャットがないのでヘッドセットは必須である。

収納箱

収納箱と作業台に群がるプレイヤーたち


『Fallout 76』の遊びの軸はいくつか存在する。探索とPvE、PvP、資源管理と拠点建築、クエストなど。最も新鮮で面白いのは世界の探索だ。核シェルター「Vault 76」を出て開拓するバージニア州は世に存在するほとんどのオープンワールドゲームよりも多様なロケーションと奇抜なランドマークを備えており、このゲームが間違いなくフォールアウトであることを証明している

シリーズの恒例だが、廃品集めは思いのほか中毒性が高い。分解して使えるゴミがそこら中に落ちているのだから拾わずにはいられないし、バッグの容量と相談して拾うゴミ、拾わないゴミの分別をするのもリソース管理の楽しみを刺激する。
この作業の中で生じる空腹や喉の渇きはあくまでハードコアサバイバル感を出すための演出で、致命的な邪魔にはならない。やはりリソース管理の一環だ。

やるべきことの多い世界で孤独を感じる暇などないように思える。しかし個人的には、アパラチアに散らばる大型ダンジョンを探索し、様々なゴミを拾い、アイテムの発見を楽しみながら、それでも人間のNPCが恋しかった

廃品

不要なアイテムは分解できる


もちろん、ベセスダはNPCではなく生きた人間同士の交流を促す仕組みを用意している。厳しめの重量制限はアイテムの不足を招き、他人とアイテムを取引しようという動機になる。ハッカースキルの高いプレイヤーは、そうでないプレイヤーが持っていない物を持っているかもしれない。
たまたま他のプレイヤーと同じ場所にいるときにイベントが発生すれば、協力してクエスト達成のために戦う。ウェーブごとに拠点を襲ってくる敵をみんなで防衛するクエストなどは手に汗握る。
PvPは様々な制約があり、正面から撃ち合う以上のユニークなロールプレイやトリッキーな戦闘は難しいものの、ぐだぐだの報復合戦になるまでは対人戦も楽しい。

ワークショップの奪い合い、という『ARK』の拠点攻略を思わせるPvPは、お互いが手加減しながら戦わないと白熱した展開にはなりにくいような気がした。ただしこれは今後の攻略で要塞のような凄まじい拠点の作り方が発見されるのかもしれない。C.A.M.P.とワークショップによる拠点作り自体は楽しいので、そうなることを祈っている。

しかしいずれにせよこのゲームのマルチプレイ要素に共通して言えるのは、プレイヤー同士の交流が意外なほど限定的で「普通」なのだ。中盤以降になるとあまりにも広大な世界でたまたま出くわすということは少なく、基本的には友達同士で集まって行ったことのないダンジョンを探検してJUNK品を拾ったりクラフトするというのがオンラインの楽しみ方になる。マップから見つけた他チームにちょっかいを出すのも悪くないが、これらのプレイヤー間の相互作用システムに『Fallout 76』ならではの要素はなく、平凡なオープンワールドサバイバルゲームやMMORPGにも及んでいない。

では、『Fallout 76』の強みはなんなのか。作りこまれたレトロフューチャーな世界観がその一つだ。

環境ストーリーテリング

fo76ストーリー

環境ストーリーテリングという言葉がある。ビデオゲームにおける物語の表現手法の一つだが、この方法では会話文やイベントシーンを通さず、かつてその場で生活していた人々の痕跡やメモ書きを元にプレイヤーに物語を推測させる。

このスタイルの古くからの実践者がフロム・ソフトウェアだ。フロム作品ではメモ書きどころか、マップに貴族の女性と従者の死体を置いただけでそこで何が起こったかを考えさせるストーリーテリングすらある(何の意味もなく死体を置くだけならストーリーにはならないが)。

『Fallout 76』には生きた人間NPCが登場しないので、ほとんどのストーリー描写はこの「環境ストーリーテリング」に任せられている。具体的にはホロテープの音声データやターミナルに残るログがそうだ。もちろん死体もある。
メインクエストもサイドクエストも、基本的にはこのスタイルで進行する。クエストがある場所に行く。過去の痕跡を発見する。ホロテープに指示されるか、またはクエストアイコンに指示されて次の場所に行く。これを繰り返す。例外は会話できるロボットから頼み事をされる時くらいだ。

フォールアウト76マップ

わかりやすいマップを使わない手はない


環境ストーリーテリングの長所は、受動的にストーリーを見せつけられるのではなく能動的にストーリーを「発見」できるので、プレイヤーがストーリーに関与し没入できることだ。ストーリーに全く興味のないプレイヤーは押しつけがましいカットシーンを見ることなくゲームプレイに集中できるので、それも利点の一つだ。

ところで、『Fallout 76』のクエストはMMOでよく見かける「お使い」が反復している。チュートリアルばりにあれしろこれしろとメッセージを出してやるべきことを教えてくれるのは、親切というより冒険感を損なう。イベントシーンもないのになかなかの「見せられてる感」があり、ベセスダのやり方はせっかく一度回避した罠に自分からハマりにいっているようなものだ。
全てを無視して本当に好き勝手冒険するタフなプレイヤーには関係のない話だが。

『Fallout 76』のマップやダンジョンはこれまでのシリーズに見劣りしない精度で完成しているのだから、どうせなら人間NPCも作ってがっつりしたイベントシーン+環境ストーリーテリングのハイブリッドにしても良かったのではないか。あるいは逆に、ストーリー進行をよりオープンにして自由でハチャメチャなサンドボックス空間の構築に力を入れても良かったのではないかと思う。

戦闘

フォールアウト76探索

『Fallout 76』では空腹、喉の渇き、放射能汚染をケアしながら戦闘、探索するシーンがプレイタイムのほとんどを占めている。グラフィック設定を下げすぎなければ美しいマップのおかげで世界を放浪するのは楽しい(それが楽しくなければオープンワールド失格だ)のだが、戦闘自体は良く出来ているとは言えない。

『Fallout 76』はオンライン化したことで、伝統を妥協した形で残している。V.A.T.S. のメカニックは変更され、ゲーム内時間を遅くしたりはしない。『Fallout 4』の戦闘を地味だと感じた人にとって、『Fallout 76』は更に地味に感じられるかもしれない。V.A.T.S.が役立つ場面が「ラグいんだか小さすぎるんだか速すぎるんだかよくわからないが弾を回避しまくる近距離の敵を倒したい」ときくらいしかないため、ほとんどの状況でプレイヤーはシンプルかつ迫力のないシューターをプレイすることになるからだ。

グラフトンモンスター

グラフトンモンスター。強敵だが、パーティを組めば序盤から狩れる


とはいえ、パーティで協力して大型モンスターをハントするのは単純に視覚的に興奮するし、そこに自分で作ったタレットが参戦してくれたりしたら最高に楽しい。グレネードを使ったり毒液を吐きかけてくる厄介な敵相手には腕の見せ所で、自分のビルドが出せる最大の火力を披露するのはそれなりに気持ち良い。

『Fallout 76 B.E.T.A.』結論

フォールアウト76戦闘

ベセスダは『Fallout 76』を「永遠に」運営すると宣言している(記事)。これは「やろうと思えば永遠に」といったニュアンスではあるものの、少なくともすぐにこのゲームを放り出したりはしないという意思は見える。

フォールアウトとしてはぎこちない『Fallout 76』だが、アップデートでの改善は期待できる。ウェストバージニア州は奇妙で美しく、新しい場所や武器を発見するのは面白い。現時点でもストーリーから離れた廃品回収業者プレー‎は楽しく、特に友達とパーティを組めるならこのゲームを愛することはできる。

ただ、バグが消え、雑用以外のコンテンツが増え、プレイヤー同士が積極的に関われる『Fallout 76』も見てみたい。もしくは『Fallout 5』をやりたい。

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